美容師になりたいと美容学校を出て美容室に就職する人は毎年たくさんいます。しかし離職率が高いのも美容業界で、国家資格を取得しても美容師をあきらめてしまう人は少なくありません。
安定したサロン運営と経営を実現するには、前向きに頑張ってくれるスタッフの育成が要となります。本記事では、スタッフ育成のポイントについて詳しく解説します。
美容業界の離職率が高い理由としては、給与の金額や福利厚生への不満などが挙げられます。スタイリストとして1人前になるまでは、アシスタント給与はかなり低いです。またスタイリストになってからも、一般企業のようなわかりやすい昇給や昇格を行っているサロンは少ないため、将来に期待できずに離職してしまいます。
しかし、スタッフが少ないとせっかく顧客が増えても対応ができませんし、忙しさから接客のクオリティが低くなってしまう可能性があります。それに、安定して長く働いてくれるスタッフがいるサロンは、顧客が訪れても安心感を感じられるようです。
安定したサロン運営を行うには、スタッフの育成がとても重要になります。
評価されると頑張ろうと思えるように、「自分は信頼されている」と思うと、おのずと前向きに仕事に取り組めるようになります。信頼関係ができていると、人間関係もスムーズになり、サロン運営自体が安定します。まずはスタッフを信頼することから始めてみましょう。
わからないことは教える必要がありますが、何でも教えてしまうと身につきにくいです。こんなときはどうしたらいいか？というヒントを与えたら、あとはスタッフ自身が自分で考えることができる指導を意識してみましょう。指示を待つだけでは成長できません。自分から考え、行動できるようなスタッフ育成は美容業界だけでなく、どの業界でも重要なポイントになります。
スタイリストになるまで、アシスタントをしながら練習を重ねてスタイリストになる日を目指すことになります。しかし「どこまでできるようになればスタイリストに昇格するのか」が明確になっていないと、スタッフのモチベーションを維持することができません。研修カリキュラムを作成し、それに伴って研修を進め、「この段階でスタッフに昇格」などの詳細を明確にしておくと、アシスタントが前向きに仕事や練習に取り組めます。
スタッフが働きやすい職場環境とは、どのような環境でしょうか？まずは就労規則がしっかり定まっていることが挙げられます。美容室は予定外の残業になってしまうことが多く、その上で残業代が出ないサロンも少なくありません。こうした状態が続くと、スタッフが「就労環境の悪い職場」だと認識して、離職につながってしまいます。給与面や残業、昇給についてなど、就労規則をきちんと定め、それを守ることは離職率の低下につながります。
次に、職場の人間関係を円滑にすることも重要です。美容室は縦社会が厳しい印象があり、先輩から厳しい指導を受けたことで辞めてしまうスタッフも少なくありません。もちろん、時には厳しい指導が必要なときもありますが、それ以外は細かい気配りを意識するなど、スタッフが働きやすい環境づくりに努めましょう。
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